「週1回しか行けないけど、それって意味あるのかな」
プールに通おうか迷っている方から、いちばん多く聞かれる質問です。仕事も家のこともある中で、確保できるのは週に1回。その1回に価値があるのかどうかが分からないから、踏み出せない。
結論から言います。週1回でも、意味はあります。効果もあります。
ただし「効果」の見方を少し変えないと、自分では気づけないまま終わってしまいます。現役のスイミングコーチとして、週1回で通われている大人の方を長く見てきた立場から、そのあたりを正直に書きます。
週1回でも、体型も泳ぎ方も変わります
まず事実として、やらないよりやったほうが変わります。体型も、泳ぎ方もです。これは間違いありません。
ただ、「何か月で何キロ落ちますか」と聞かれると、正直に答えるなら一概には言えません。
同じ週1回でも、中身がまるで違うからです。
- どれくらいの強度でやるか(ゆっくり歩くのか、息が上がるまで泳ぐのか)
- どれくらいの時間やるか
- 今のレベルがどこか(まったく泳げないのか、ある程度泳げるのか)
ここが違えば、同じ「週1回」でも結果はまったく変わります。さらに個人差もあります。
「週1回で3か月なら◯キロ」と言い切っている情報を見かけたら、少し疑ったほうがいいです。そこを言い切れる人はいません。
「増えなくなった」のは、立派な効果です
ここがいちばんお伝えしたいところです。
週1回で通っている方が、こう言うことがあります。
半年通ってるけど、体重が全然変わらないんですよね。効果ないのかな。
でも、ちょっと待ってください。
何もしていなかったら、その半年で体重はどうなっていたでしょうか。
多くの場合、少しずつ増えていきます。年齢とともに、放っておけば上がっていく。それが自然な流れです。
その流れの中で、週1回通ったことで体重が増えずに維持された。
これは「効果がなかった」ではありません。増えていくはずだったものが、増えなくなったという効果です。プラスとマイナスで考えれば、確実にプラスの側に動いています。
実はこれ、すごいことなんです。ゼロではなく、はっきりとした成果です。
「減っていないから意味がない」と判断してやめてしまうと、そこから元の流れに戻ります。せっかく止めていたものが、また動き出してしまう。もったいない話です。
週1だからこそできる「自分の管理」がある
続けていくと、週1回でも自分の体調を管理できるようになります。
たとえば、こういうことです。
- 今日はなんか体が重いな
- いつもより少しきついな
- プールで体重を測ったら、先週より少し減ってるな
- 今日はいつもより進む感じがする
泳ぐ(あるいは歩く)ときの感覚は、正直です。毎日やっていると逆に差が分かりづらいのですが、週に1回だからこそ、前回との違いに気づけるということがあります。
週に1回、決まったタイミングで体重を測る。そのときの体の感覚を覚えておく。それだけで、自分の状態を定点観測できるようになります。
些細なことのようですが、これは週1回の通い方が持っている、はっきりした価値です。
週2・週3との差は、正直あります
ここは正直に書きます。週2、週3と増えれば、そりゃ差はあります。当然です。
ただ、だからこそまず始めないといけないという話でもあります。
そして、見てきて思うのはここです。
週1から週2、週3に増やすのは、案外ラクです。でも、0から週1にするのは、思っているよりずっと大変です。
いちど通い始めてしまえば、荷物の準備も、施設の場所も、着替えの段取りも、すべて体が覚えています。「もう1日増やそうかな」と思ったときのハードルは、実はかなり低い。
でも0の状態から1にするときは、申し込みも、水着を買うのも、初日の緊張も、全部が初めてです。ここがいちばん重い。
つまり、いちばん大変なところを越えているのが「週1回通っている人」です。そこはもっと評価されていいところだと思っています。
目的ごとの回数の目安は、大人の水泳は週何回がいい?目的別の目安と続けるコツで詳しく書いています。
週1が続かない人は、たいてい「目標の立て方」でつまずいている
やめてしまう方には、共通した理由があります。体力でも、才能でもありません。目標の立て方です。
つまずき① 目標が大きいのに、期間が短い
「3か月で10キロ痩せる」のような立て方です。
目標を大きく見すぎているのに、期間は短い。だから達成できない。達成できないから、自分には無理だと思ってやめてしまう。この流れが本当に多いです。
おすすめは逆です。
目標は小さく、期間は長く。
こうすると何が起きるかというと、思ったより早く進んだときに、うれしくなります。「1年かけて3キロ」と思っていたのに、半年で3キロ落ちた。この体験は強いです。
そして進んだら、そこで次の目標に更新すればいい。この繰り返しができると、やめずに続けられます。
つまずき② 目標と目的を、同じにしてしまっている
これも多いです。
目標が「5キロ痩せる」。目的も「5キロ痩せる」。これでは続きません。
なぜなら、目標を達成した瞬間に、続ける理由がなくなってしまうからです。逆に達成できないときも、続ける理由がなくなります。どちらに転んでもやめる方向に行く。
目標が「5キロ痩せる」なら、目的は別のところに置きます。
- 健康的な体をつくる
- 体力をつける
- 泳ぎをマスターする
- 人とのつながり(コミュニティ)をつくる
目的を目標と同じにしないことで、たとえ目標が達成されても、続ける理由が残ります。
そして長く続いた人ほど、結果的にいちばん変わっています。
週1回を始めるときに決めておきたいこと
ここまでをふまえて、始める前に決めておくといいことをまとめます。
| 決めること | 考え方 |
|---|---|
| 目標 | 小さくする。 |
| 「まず3か月通う」でもいい | |
| 期間 | 長くとる。焦らないほうが結果的に早い |
| 目的 | 目標と別のものにする(健康・体力・泳ぎ・つながり) |
| 測るもの | 体重だけにしない。感覚・体調・泳げる距離も見る |
| 曜日 | 固定する。決めないと「今週はいいか」になる |
特に最後の「曜日を固定する」は効きます。予定として先に埋めてしまうほうが、意志の力に頼らずに済みます。
いちばん大きいのは、効果よりも「踏み出したかどうか」
最後に、いちばん伝えたいことを書きます。
週1回に効果があるかないか。それはもちろん大事な話です。ここまで書いてきたとおり、効果はあります。
でも、それよりも大きいものがあります。
0と1では、踏み出したか、踏み出せなかったか。ここにいちばん差があります。
週2にするか週3にするかは、始めたあとで考えればいいことです。順番としては、ずっと後ろの話です。
踏み出さなければ、何も起きません。
週1回しか行けないから迷っている、という方がいたら、その週1回は十分に価値があるとお伝えしたいです。まずは1回目に行ってみてください。
そこから先は、案外ラクですから。


