「うちの子、スイミング辞めたいって言い出して…」——現役スイミングコーチとして、そして3児の父として、この相談を本当によく受けます。たくさんの子どもを見てきて分かったのは、続く子と辞める子の違いは”才能”ではなく、ほとんどが”環境と声かけ”だということ。この記事では、水泳が続いて伸びる家庭に共通するポイントを、指導現場のリアルからお伝えします。
辞める子に共通する「きっかけ」
まず、辞めてしまう子によくあるパターンから。多くは「泳ぎが下手だから」ではありません。
- 進級テストに落ちて自信をなくした(”できない自分”を意識してしまう)
- 親が結果(何級か)ばかり気にする(プレッシャーになる)
- 友達がいない・辞めた(楽しさの多くは人間関係)
- そもそも本人が”やらされている”感覚だった
逆に言えば、ここを避けられれば続きやすい、ということです。
続く家庭の共通点5つ【コーチが見てきたリアル】
① 結果より「今日できたこと」を褒める
「何級受かった?」より「今日は何が楽しかった?」。伸びる子の親はプロセスを見ています。級は結果でしかなく、”水が好き””行くのが楽しい”が続く原動力です。
② 進級テストに落ちても「ドンマイ」で流す
落ちるのは当たり前。むしろ同じ級をもう一度やることで基礎が固まります。親がガッカリした顔を見せると、子どもは「失敗=ダメ」と学んでしまう。「また挑戦できるね!」でOKです。
③ 家庭で「水は楽しい」を作っている
お風呂で潜りっこ、夏はプール。スクール以外でも水と触れている子は、水への抵抗がなく上達も早い。詳しくは「水に慣れる」とは?意味と大切な理由で解説しています。
④ 「送迎ついでに一言」で関心を示す
ずっと見学しなくてOK。でも「今日どうだった?」の一言があるかないかで、子どものモチベーションは変わります。関心を持たれている実感が、続ける力になります。
⑤ 「辞めたい」を頭ごなしに否定しない
「辞めたい」の裏には理由があります(テストが怖い、友達が…など)。まず理由を聞く。多くは”辞めたい”ではなく”その不安を取り除いてほしい”のサインです。理由が解決すると、また通えるようになる子はとても多いです。
それでも「本当に合わない」ときは?
一方で、無理に続けさせる必要もありません。水泳が全てではないし、「一度きちんと水に慣れた」だけでも大きな財産です(安全面でも一生役立ちます)。大切なのは「逃げ癖」にしないこと。辞めるにしても「ここまで頑張れたね」と区切りをつけてあげると、次の挑戦に前向きになれます。
通う回数についても迷いやすいところです。子供のスイミングは週何回がいい?で、回数で何が変わるのかをまとめています。
進級テストとの向き合い方が、いちばん差になります
続く家庭と辞める家庭を分けているもので、いちばん大きいのがここだと思っています。
進級テストは、学校のテストとは違います
まず知っておいてほしいのが、これです。
進級テストは、学校のテストとは違います。合格ラインも、見ているところも、クラブやコーチによって変わります。
点数で優劣がつくものではありませんし、落ちたからといって、その子ができない子だということでもありません。
合格することだけを、結果として捉えないでください
ここが本当に大事なところです。
不合格だった日でも、その子は必ず何かできるようになっています。
- 自分で体を拭けるようになった
- 泣かないでできるようになった
- 新しいお友達ができた
- コーチの話を最後まで聞けるようになった
成長は、水の中だけではありません。
親から離れて、知らない場所で、知らない先生の話を聞いて、1時間過ごしてくる。それだけでも大きなことをしています。
とても難しいことですが、これができる家庭は続きます
正直に言って、これはとても難しいことです。テストの結果は目に見えるので、どうしてもそこを見てしまいます。
それでも、合格以外の成長を見つけて言葉にできる家庭は、やめません。
落ちた日にこそ「体を拭けるようになったね」と言えるかどうか。これが、やめないきっかけになります。
やめる子と、続ける子を分けているもの
やめる原因は、本当にいろいろあります。
- 他の習い事との兼ね合い
- コーチと合わない
- お友達と合わない
- 送迎の負担
- など、数えきれません
ただ、いろんな家庭を見てきて思うのは、根っこはひとつだということです。
続ける理由が、見つからないこと。
逆に言えば、「続けたい理由」「やめたくない理由」を探して、そこに目を向けられる家庭は、やめません。
お友達に会えるから。コーチが好きだから。この前より少し進んだから。理由は何でもかまいません。
「やめたい理由」も「続けたい理由」も、探せばいくらでも見つかります。どちらを探すかで、結果が変わります。
▼ 子どもに「行きたくない」と言われて、いま迷っている方へ
本気かどうかの見分け方、言われた最初の1週間にやること、スクールへの伝え方(そのまま使える文面つき)、辞めたほうがいいときの判断まで、ブログでは書ききれなかった具体的な話をnoteにまとめました。
子どもが「スイミング行きたくない」と言ったら|現役コーチが教える、見分け方・声かけ・辞めどき(note・有料500円)
親が見に行くタイミングや、見学のあとの声かけはスイミングは親が見に行ったほうがいい?にまとめました。
冬になると「寒いから行きたくない」と言う子もいます。冬の考え方は冬のスイミングは寒い?休ませるべき?に書きました。
スイミングは、いつまで続ければいい?
保護者の方から、よく聞かれる質問です。正直に言うと、決まりはありません。いつまで続けてもいいですし、こちらが決めることでもありません。
学年や年齢で「ここまで」と決めている方もいます。「この泳ぎができるまで」「何秒で泳げるまで」と、レベルで決めている方もいます。目的によって変わります。
スイミングのいいところは、いろんな形で続けられることです。別の習い事をしながら週1回だけでも続けられますし、本格的に選手にならなくても続けられます。続けようと思えば、一生同じスイミングで続けていけると思います。
だから、「何歳までやればいいか」より、「何歳まで続けられるか」と考えてみるのも面白いと思います。やめる理由を探すより、続ける意味や続ける方法を探すほうがいいと、僕は思っています。
うちの子にも、やれるだけやってほしいと思っています。やれない時期があれば一度やめて、またやりたくなったら始めればいい。形にはこだわらなくていいと思っています。
まとめ:続くかどうかは「楽しい」の作り方しだい
水泳が続く子の家庭は、才能に頼っていません。結果より過程を褒め、失敗を責めず、水を好きにさせている——これだけです。今日から声かけを少し変えるだけで、お子さんの「続く力」は大きく変わります。水を好きになる第一歩はこちらの記事もどうぞ。
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